Q&A
「あなたはご存知ですか?シリーズ」
薬の副作用はそれぞれの薬について発生しますので、様々な症状があります。
ここでは特に起りやすい副作用について紹介します。
「主な副作用の原因」
1.避けられないもの:薬の成分で起こる副作用
一般に、効き目が強い、切れ味の鋭い薬は、治療の目的に必要な主作用の血中濃度と、副作用が起こる危険性のある血中濃度に差が少ないものが多い。少しの副作用よりも、薬の主作用が大きい場合、使用を続けることもありますが、使用を続けるか中止するかの判断は医師・歯科医師や薬剤師に相談してください。
1.避けられないもの:薬の成分で起こる副作用
一般に、効き目が強い、切れ味の鋭い薬は、治療の目的に必要な主作用の血中濃度と、副作用が起こる危険性のある血中濃度に差が少ないものが多い。少しの副作用よりも、薬の主作用が大きい場合、使用を続けることもありますが、使用を続けるか中止するかの判断は医師・歯科医師や薬剤師に相談してください。
2.注意すれば避けられるもの
*自分の体質や体調:卵アレルギー、牛乳アレルギーなどで起こる副作用は、過去の副作用歴を記録しておいて、伝えることで避けられます。症状によって処方される(または選ばれる)薬は異なるので、自分の症状を正しく伝えることが大切です。
*薬と食べ物の相互作用:このシリーズでも詳しく説明していますのでご覧ください。
*薬と薬の相互作用:「おくすり手帳」を医師や薬剤師に見せるか、手帳を持っていない場合はできるだけ詳しく服用・使用している薬について伝えることが大切です。
3.避けられるもの:薬の飲み方が正しくなかった
薬は定められた使用方法・使用量で飲むことが副作用のリスクを抑えます。また、処方薬の場合は「処方日数」の間に服用することも大切です。
「副作用かな?と思ったときには」
1.すぐに医師・歯科医師や薬剤師に相談します
薬を飲んでいて普段と異なる症状が現れたときには、自己判断せずに医師・歯科医師や薬剤師に相談しましょう。
副作用が出ていても、薬の服用をすぐにやめる、様子を見ながら服用する、薬の量を少なくする、似たような有効成分の薬に変えるなどいろいろな対応が異なります。
薬によっては、副作用があっても服用をやめてしまうデメリットが大きい場合もあります。逆に無理して飲み続けると、副作用がひどくなることもあります。
2.インターネットの情報サイトを活用する
*「医薬品医療機器総合機構(くすり相談)」
http://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/0001.html
*「日本薬剤師会(消費者くすり相談窓口)」
http://www.nichiyaku.or.jp/?page-id=447
*「日本製薬工業協会(会員会社くすり相談口)」
http://www.impa.or.jp/medicine/window/consul.htm
3.副作用で被害にあったときは
薬の副作用で入院など一定以上の健康被害が生じた場合は、法律で定められた給付金を受け取ることができます。これを医薬品副作用被害救済制度といいます。以下のHPをご覧ください。請求書のダウンロードもできます。
*独立行政法人医薬品医療機器総合機構
http://www.pmda.go.jp/relief-services/0001.html
「妊娠中に薬を飲むときの注意点」
妊娠中には薬を飲まないほうがいいとされています。一部の薬には催奇形性や胎児への影響を与えたり、発育を妨げたりする(胎児毒性)ものがあるからです。
妊娠中には薬を飲まないほうがいいとされています。一部の薬には催奇形性や胎児への影響を与えたり、発育を妨げたりする(胎児毒性)ものがあるからです。
妊娠3~8週目の初期は薬による催奇形性お影響を受けやすく、妊娠後期には胎児毒性の影響が心配されます。ただ、妊娠中に薬を飲んだからといって、必ず赤ちゃんに影響が出るというわけではありません。医師・歯科医師、薬剤師に相談してください。
妊娠を考えている人、妊娠の可能性がある人は日頃から基礎体温をつけて、妊娠初期に気が付けるようにすることは大切なことです。
「子供に薬を飲ませるときのポイント」
最近は子供用の薬は、甘い味がついているなど、飲みように工夫されていますが、それでも薬を飲むのを嫌がる子供はいます。
最近は子供用の薬は、甘い味がついているなど、飲みように工夫されていますが、それでも薬を飲むのを嫌がる子供はいます。
乳幼児に飲ませる場合には、少量の水やぬるま湯に溶かし、スプーンやスポイドなどで少しずつ飲ませたり、哺乳瓶の乳首に入れて飲ませるとよいでしょう。ミルクに混ぜて飲ませるお母さんがいるようですが、ミルク嫌いを招くことがあるのでおすすめできません。
最近の幼児向けの粉薬は、オレンジ、パイナップル、ミックスフルーツなどの味がついて飲み易くなっていますが、やはり粉薬はそのままでは飲みにくいため、牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、プリン、ココア、練乳、オレンジジュース、りんごジュースなど混ぜてもいいものを医師・歯科医師、薬剤師に確認することをお勧めします。
粉薬に少量の水を加えて、練って団子状にして飲み込ます方法、ゼリーに薬を混ぜて飲ませやすくする「服薬補助ゼリー」を利用するのもいいでしょう。なお、「服薬補助ゼリー」は薬の効果を妨げないように作られているので、一般のゼリーで代用するのは避けてください。
「高齢者に薬を飲ますときの注意点」
寝たきりの高齢者に薬を飲ませるときやってしまいがちなのは、寝たままの状態で薬を飲ませてしまうことです。横になった状態で薬を飲むと、のどや食道で薬がとまってしまい、そこで溶けだしてしまう、また、薬が気管に入りやすくなり、むせたり、誤嚥性肺炎を招く心配もあります。薬は必ず上半身を起こして飲ませましょう。
寝たきりの高齢者に薬を飲ませるときやってしまいがちなのは、寝たままの状態で薬を飲ませてしまうことです。横になった状態で薬を飲むと、のどや食道で薬がとまってしまい、そこで溶けだしてしまう、また、薬が気管に入りやすくなり、むせたり、誤嚥性肺炎を招く心配もあります。薬は必ず上半身を起こして飲ませましょう。
高齢者はだ液の分泌量が減っているので、薬を飲みにくく感じる人が多い。薬を飲む前に水や白湯を飲ませたり、多めの水で飲ませる。とろみを付ける添加剤や嚥下補助ゼリーを使うのもいい。
最近は、口の中ですぐに溶けて飲みやすい錠剤(OD錠という)も開発されているので、飲ませにくいときは医師・歯科医師、薬剤師に相談するといい。
高齢者は飲み忘れの心配もあり、家族がチェックしてあげることも必要です。
「口から飲む内服薬」
粉薬(散剤・細粒剤)、錠剤、カプセル剤、液剤など口から飲みますね。
粉薬(散剤・細粒剤)、錠剤、カプセル剤、液剤など口から飲みますね。
錠剤やカプセル剤は飲みやすい剤型ですが、苦くて飲みにくい、粉薬が飲みにくいなどの場合薬を飲みやすくしています。最近は、薬の吸収を調節し、薬の効き目をより高くするように工夫したものもあります。
したがって、錠剤をかみ砕いたり(下にそういう錠剤を紹介しています)、カプセルから出したりしないで、そのまま水かぬるま湯で飲むようにしてください。
「だ液で溶かして飲む薬」
口腔内崩壊錠(OD錠といいます)
口腔内崩壊錠(OD錠といいます)
加齢などでいろいろなものを上手く飲み込めない人、水分制限をされている人などのために開発された錠剤で、口の中で唾液や少量の水で溶ける錠剤です。
このような錠剤には必ず同じ名前の口の中で溶けないものがあります。口の中で溶ける錠剤が嫌な人はそのような錠剤を処方してもらっても薬の効果は同じです。
チュアブル錠
かみ砕いて、だ液で溶かして飲む錠剤です。OD錠似ていますが、チュアブル錠はかみ砕いて細かくして、だ液で溶かして飲みます。しっかりかみ砕かないと口の中でうまく溶けないことがあります。
舌下錠
舌の下に錠剤を入れ、急速に有効成分を口腔粘膜から吸収させる錠剤です。舌の下に入れた後、飲み込んだり、かみ砕いたりしないで、だ液で自然に溶かします。急速な効果を得なくてはならない狭心症発作時の薬に応用されています。
バッカル錠
舌下錠と似ていますが、有効成分を口腔粘膜からゆっくり吸収させる錠剤です。錠剤を歯と歯茎の間に挟んで、飲み込んだり、かみ砕いたりしないで唾液で自然に溶かします。
薬のなかには食べ物によって作用が高まったり、低下したり、副作用がでたりするものがあります。
【コーヒー】
禁煙補助薬ガム(指定第2類医薬品)を使うとき、コーヒーを飲んだ後にそのガムを噛むと、十分な効果が得られないことがあります。この原因は口の中が酸性になって有効成分のニコチンが吸収されにくくなるためです。コーラ、野菜ジュース、果物ジュースなども同様の影響を起こすので要注意です。
【カフェイン】(コーヒー、紅茶、緑茶に多く含まれる)
精神神経薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:パキシル、レクサプロ、デプロメールなどの抗うつ・不安薬)は体内のカフェインの分解を抑制して、中枢神経刺激作用(精神過敏、いらいら、不眠など)が発言する可能性がある。
精神神経薬(選択的セロトニン再取り込み阻害薬:パキシル、レクサプロ、デプロメールなどの抗うつ・不安薬)は体内のカフェインの分解を抑制して、中枢神経刺激作用(精神過敏、いらいら、不眠など)が発言する可能性がある。
精神神経薬(ベンゾジアゼピン系:クロナゼパム(抗てんかん薬)、ゾピクロ(催眠鎮静薬))の効果が弱まる。
強心薬(アミノフィリン)、キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリン)の体内代謝を抑制し薬の作用が増強する可能性がある。
抗菌薬(エノキサシン、キノロン系:例ジプロフロキサシン)は体内のカフェインの分解を抑制して、中枢神経刺激作用(精神過敏、いらいら、不眠など)が発言する可能性がある。
解熱鎮痛薬(カロナール、ロキソニンなど)、抗血栓薬(ワルファリンなど)の血中濃度が上昇し、鎮痛効果や出血傾向が強まる可能性がある。
【納豆・クロレラ・緑黄色野菜】
脳梗塞などの治療・予防に用いられるワーファリンを飲んでいるときには納豆を食べてはいけない。納豆菌がビタミンKを作ってワーファリンの作用(血液が固まったり、血栓ができるのを防ぐ作用)を弱めてしまうためです。
クロレラや緑黄色野菜(パセリ、青汁など)はビタミンKを大量にふくんでいる食品。
脳梗塞などの治療・予防に用いられるワーファリンを飲んでいるときには納豆を食べてはいけない。納豆菌がビタミンKを作ってワーファリンの作用(血液が固まったり、血栓ができるのを防ぐ作用)を弱めてしまうためです。
クロレラや緑黄色野菜(パセリ、青汁など)はビタミンKを大量にふくんでいる食品。
【牛乳】(カルシウムとの結合)
抗生物質(ニューキノロン系:例ノルフロキサシン、テトラサイクリン系:例オキシテトラサイクリン、セフェム系:例セファレキシン)とカルシウムが結合して、消化管からの抗生物質の吸収が低下する。水で飲む場合と比べて、50%ほども低下するというデータがあり、抗菌作用が十分に得られなくなります。
抗生物質(ニューキノロン系:例ノルフロキサシン、テトラサイクリン系:例オキシテトラサイクリン、セフェム系:例セファレキシン)とカルシウムが結合して、消化管からの抗生物質の吸収が低下する。水で飲む場合と比べて、50%ほども低下するというデータがあり、抗菌作用が十分に得られなくなります。
また、便秘薬や胃腸薬の中には、牛乳と一緒に飲むと、薬が胃で溶けてしまい、胃のむかつき、吐き気といった副作用がでることもあります。
一緒に飲む必要があるときは、薬を服用して、2時間程度後に牛乳を飲むことが望ましい。
【グレープフルーツジュース】
グレープフルーツの果肉に含まれるある種の成分が、小腸にある薬物代謝酵素の働きを阻害し、薬の血中濃度を上昇させる。その結果、薬の効きすぎにより、血圧が下がったり、頭痛、めまいなどの症状をひき起こすことがある。
薬の例として、カルシウム拮抗薬(血管を拡張して血圧を下げる:例ニフェジピン)、高脂血症治療薬(コレステロール値が下がりすぎたり、胃腸障害が出る:例アトルバスタチン)
催眠鎮静剤(めまい、ふらつきなど:例トリアゾラム)、精神神経薬(ねむけ、たちくらみ、頭痛など:例カルバマゼピン)など起きることがある。
オレンジやレモン、みかんなどではこのような相互作用は起きないと思われる。
【チーズ】
薬がチーズ中に大量に含まれているチラミンの分解を防止するため、チラミン中毒(顔面紅潮、頭痛、急激な血圧上昇など)が起きる可能性がある。MAO阻害薬(抗パーキンソン剤、例セレギリン)、消化性潰瘍治療剤(例シメチジン)、抗結核剤(例イソニアジド)、抗うつ・不安薬(例イミプラミン)などの薬と相互作用が起きる。
薬がチーズ中に大量に含まれているチラミンの分解を防止するため、チラミン中毒(顔面紅潮、頭痛、急激な血圧上昇など)が起きる可能性がある。MAO阻害薬(抗パーキンソン剤、例セレギリン)、消化性潰瘍治療剤(例シメチジン)、抗結核剤(例イソニアジド)、抗うつ・不安薬(例イミプラミン)などの薬と相互作用が起きる。
チーズ以外にも、ニシン、たらこなど、ビールやワインなどの食品はチラミン含有量が多いので過剰摂取は避ける。
【アルコール】
アルコールは多くの薬剤と吸収・代謝などの段階で影響し、血中濃度を」大きく変動させるので薬剤との併用は避ける。
薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するのみならず、副作用も起きる可能性がある。
アルコールは多くの薬剤と吸収・代謝などの段階で影響し、血中濃度を」大きく変動させるので薬剤との併用は避ける。
薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するのみならず、副作用も起きる可能性がある。
ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤・抗不安薬(例ジアゼパム) 、三環系抗うつ薬(例アミトリプチリン)、糖尿病薬(例アセトヘキサミド)、解熱鎮痛薬(例アセトアミノフェン)などは併用しない。
アルコールの中枢神経抑制作用と重なって抑制作用が増強する。
抗てんかん薬(例カルバマゼピン)がその例の一つ。
アルコールの分解を抑制しアルコール代謝に影響を及ぼし頭痛、嘔吐、顔面紅潮など不快な作用が増強する可能性がある(アルコール代謝の途中段階で生じアセトアルデヒドが蓄積して発現する:ジスルフィラム様作用という)。
セフェム系の抗生物質(例セフメタゾール)や抗がん剤(例カルモフール)に出現する。
血管拡張
血管拡張作用が増強し、起立性低血圧や失神が起きる可能性がある。
例は狭心症治療薬のニトログリセリンに見られる。
図のように「薬物の血中濃度」がより速く高くなる順は、静脈内注射>直腸(坐剤)=静脈内注射>筋肉内注射>経口>経皮となります。一方、「血中濃度」のより長く持続する順は、点滴静注>経皮>経口>筋肉内注射>直腸>静脈内注射となります。
「薬が効く」という意味は「速く効く」ことと「長く効く」との両者で評価されるでしょう。しかし、(痛みは速く止って欲しい)、(痒みは長く止って欲しい)と症状によって目的とされる効果はことなります。
つまり、目的に応じた「薬の剤形(内服か注射か坐剤か貼り薬か・・・)」を選ぶ必要があります。
ところが、小腸で吸収された薬が100%体内に運ばれていくかというとそうではないのです。
「初回通過効果」といって、全身に運ばれる前に「肝臓」を通過し、そこで異物として分解(代謝といいます)されるのです。その代謝率は薬の成分によって差があります。
その後、心臓を介して全身の細胞に配られますが、一部は腎臓を通って尿中にも排泄(代謝)されます。そうした働きの結果、体に有効な薬の指標「血中濃度」が得られるのです。
生物学的同等性ってご存知ですか?
ジェネリック医薬品について行うべきことは、主に「このジェネリック薬は、新薬と同程度の効果・効能があります」ということを証明することです。このための試験が「生物学的同等性試験」です。
例えば、錠剤や散剤などは、服用後、崩壊→溶出→吸収→分布→代謝→排泄という過程をたどります。
有効成分が同じ医薬品(例えば、先発品とジェネリック医薬品)間の場合、生物学的に同等であるとは、体の中に吸収される「薬物量と薬物濃度が同等である」ことを示しているのです。
従って、薬物量としての(薬物血中濃度-時間下曲線面積)と薬物濃度としての(最高血中濃度)が同等である場合、両製剤は“生物学的に同等である”とされており、製薬メーカーは承認申請資料においてそのデータを厚生労働省に提出し、それが生物学的に同等であると認められた医薬品として販売されるのです。
注射剤にもジェネリック医薬品は開発されている注射剤の場合、生物学的同等性試験がおこなわれていないものもあります。これには根拠があります。
血管内に投与する注射は試験不要
飲み薬などでは、有効成分は固体であるため、体内で溶けて吸収され、必要な血中濃度が得られるかどうかを試験しますが、注射剤は有効成分が溶解した状態で血管に投与されるので、血中濃度は変化することがなく、試験を行う必要がありません。
血管内に間違いなく投与されれば、先発品、ジェネリック医薬品を問わず同じ効果をもたらすと考えられます。むしろ、経口薬よりも厳しい同等性として「安定性試験」が課せられます。
有効成分の含量、溶け切っていない不純物がないかどうか、浸透圧やpHなどの試験が行われ、同等性が確認されます。
添加剤については、例えば静脈注射であれば、これまでに静脈注射剤として使用前歴のあるものだけに限られるなどか課せられています。試験が行われる注射剤もあります。
皮下注射や筋肉注射などには生物学的同等性試験が行われます。これらの注射剤では注射した部位から有効成分が血液に移行し、必要な血中濃度等が得られる必要があるためです。
ジェネリックの注射剤には「シリンジ製剤」といって、最初から注射筒に医薬品を入れた状態で販売されるものがあり、医師などの手間や作業を減らす、菌の混入を防げるなどジェネリックならではのメリットもあります。
ジェネリック医薬品の新たな展開
オーソライズド・ジェネリック(AG)とは?
新薬メーカーの許諾を受け、新薬と同一の原薬・添加物・製造方法等で製造されたジェネリック医薬品です。
一般的なジェネリック医薬品では「有効成分・効能・効果」は新薬と同一だが「原薬・添加物・製造方法・形状・色・味・製剤の安定性」は異なる場合があるに対して「製剤の安定性にのみ異なることがあるが、他の全ての項目について新薬と同等」であるジェネリック医薬品で種々の医薬品に拡大してきています。
新しく製造・販売された薬を「新薬」または「先発医薬品」と言います。一方「ジェネリック医薬品」または「後発医薬品」と言われるのは、新薬の特許が切れた後に、ほかの製薬メーカーが製造し、販売されたものです。
国はなぜジェネリック医薬品の使用を勧めるのでしょう?
平成28年度の国民医療費は42兆1,381 億円、人口一人当たりの国民医療費は33万 2,000円、そのうち医科診療医療費は30兆1,853億円(構成割合71.6%)、歯科診療医療費は2兆8,574億円(同6.8%)、薬局調剤医療費は7兆5,867億円(同18.0%)と2番目に高い(医科診療医療費には治療に必要な医薬品費も入るが算定されていない)のです。
もしも、全ての医薬品がジェネリック医薬品になったとすると1兆6700億円程度の医療費が削減できると考えられるのです。そこで、医療費の抑制を目的として、より安価に製造・販売できるジェネリック医薬品の使用を勧めているのです。
ではなぜ?ジェネリック医薬品は安価に製造・販売ができるのでしょう?
それは昔何かの雑誌に報道されたように「いい加減な医薬品」だからでしょうか?いいえ、それはまちがいです。
新薬開発・製造には数百億円の巨額な費用と、10年前後の長い年月がかかります。このために新薬に対しては「4つの特許:物質特許、用途特許、製剤特許、製法特許」が認められており、その期間は一般的に20年と言われています。
ただし、薬になるかもわからない物質を発見したときからの期間で、多くの製薬メーカーは平均15年くらいかけて、物質を医薬品にして、残りの5年間を医薬品の市場を独占するという状態です。
これらの特許が切れた後の医薬品は、同じ成分(物質特許)、同じ用途(用途特許)をクリアすれば、他の製薬メーカーが作ることができるようになります。
これがジェネリック医薬品です。
当然、医薬品としての効果などは、すでに証明されているためにジェネリック医薬品の製薬メーカーは、すぐに販売できます。このような理由で、研究開発などの費用が抑えられるため安い価格で販売できることになります。
製剤特許(医薬品を製剤にするときの特許:錠剤か、カプセルか、顆粒か、液剤か)や製法特許(医薬品を構成する添加物などに関する特許)はジェネリック医薬品を作る製薬メーカーで独自の方法を工夫することもるあるため、この違いが、元々の医薬品との違い・個性として現れて、薬の特徴(例えば、飲みやすいとか貼りやすいなど)として宣伝されるもととなります。
内服薬は基本的に小腸で吸収されるために、胃の中の内容物の種類や量によって吸収が変わります。
胃内の食物は食後10分ごろから小腸へ排出され、短いもので1時間、長いもので5時間、多くのものは2~3時間滞留します。
同じ食物でも量が多いと時間も長くなります。
例えば、牛乳75mLでは1時間15分、200mLでは2時間ほどになります。
糖分、炭水化物に比べ、たんぱく質は滞留時間が2倍に、脂質は胃の運動を抑制するので最も長くなります。
果物:20~30分、野菜:1~2時間、炭水化物:2~4時間、たんぱく質:4~6時間のようになります。
病院や薬局で「飲む時刻」を指示されますが、その意味と重要なことを説明します。
① 食直前 食べる直前に飲みます。
② 食 前 食べる前約30分以内に飲みます。
③ 食直後 食べた直後に飲みます。
④ 食 後 上に述べた理由により食事後30分以内に飲みます。
⑤ 食 間 朝・昼・夜の食事と食事の間に飲みます。食事を摂った後2時間ほど過ぎた頃に飲みます(これは言い換えると「空腹時」ということになります)。決して食事を摂りながら薬を飲むことではありません。
⑥ 起床時 食事に関係なく朝、起きてすぐに飲みます。
⑦ 就寝前 寝る30分ほど前に飲みます。寝つきを良くする睡眠導入剤では寝る直前に飲む場合もあります。
⑧ 頓 服(とん服) 高熱や強い痛みがあるときに一時的に症状を抑えるために飲みます。一日に飲める回数は医師や薬剤師に確認して、それを守ってください。
一般用医薬品(薬局などで買うことができる薬)と異なり、医療用医薬品は「処方せん」によらなければ薬局でもらうことができないことはご存知でしょう。
この処方せんには「発行日を含めて4日間」という「有効期限」が決められています。これは、4日間以上過ぎると、症状や病状が変わって薬を変更しなくてはならなくなる可能性があるからです。
有効期限には土・日曜日も含まれますので、例えば、木曜日に発行された処方せんは日曜日で期限がきれるので、月曜日に薬をもらおうとすると、その病院やクリニックから処方せんを再度発行してもらう必要があります、注意しましょう。
ただし、薬局に行けない特別な理由があり、有効期限の延長が必要な場合は、診察の時に延長してほしい日付を医師に伝えて、処方せんにその旨を記入してもらうことができます。
発行後からでは延長は認められません。また、毎回延長することは好ましいことではないので認められないでしょう。
あくまでも”今回は特別です”という姿勢が大切ですね。
薬の使用期限とはメーカーが保証した期間で一般的に6か月~3年です。
使用期限はパッケージに記載してありますが、個々の製剤には記載されていませんでした。液剤などでは個々の製剤に記載していました。最近はパッケージから出しても分かるように個々の製剤に記載するようになってきています。
ただし、この使用期限には条件があり、一定範囲の温度で保管し未開封の場合にかぎるものです。一度開封してしまうと成分の分解速度が早まり、品質や性状の変化も早まります。したがって、使用期限内であっても開封後半年を過ぎてしまった薬は使わないようにしましょう。
特に気をつけなければいけない薬として、胃腸薬には変質しやすい生薬や消化酵素などが多く含まれており、目薬やシロップ剤ではカビや雑菌が混入し、薬剤の糖分や水分によって増殖することがあるので使用期限や保管には十分注意する必要があります。
薬は化学物質です。どんなにいい環境で保管していても、湿気や温度、酸素や光などの影響を受けて分解が進みます。いくら包装容器を完璧にしていても、薬に含まれる水分が働いて分解が進み、その結果、毒性が増し、体に有害な物質に変質していることもあります。湿気の少ない涼しいところに保管することが望ましいですね。
開封していない場合
外箱に期限の記載がなく、開封していない場合では、製薬会社で作られてから3年が使用期限の目安となります。
開封した場合
散剤、顆粒剤 : 3~6か月
カプセルや錠剤、軟膏、坐薬など : 6か月~1年
目薬 : 原則約1か月程度で使い切る。開封後、栓をきちんと閉めていないなど、保管方法が悪いと、空気中の雑菌が混入し、変質しているかもしれません。古くなった目薬をさすと、充血や感染などのトラブルの原因になります。
液剤(目薬やドリンク剤など): 変質や細菌が繁殖している恐れがあるので残ったものは下水に流しましょう。
錠剤や軟膏など : 紙などに包んで可燃ごみに捨てましょう。
(残った薬が多いときは薬局に相談して、処分方法を決めてください)
漢方薬:パッケージには使用期限が書かれていますが、調剤された漢方薬には書かれていないことが多いと思います。この場合は年単位(3年~5年)での使用期限と考えていいと思います。
漢方薬はアルミ材で分包してありますので保管は温度に気を付けてください。